カンキツ農家の栽培レポート2021年度第1弾
~カラマンダリンの収穫~
皆さんいつもご覧いただきありがとうございます。
久しぶりに三重県熊野市のカンキツ農家、上ちゃんから栽培レポートが届きました。
今回届いたのは、現在、収穫中のカラマンダリンの様子です。
皆さんはカラマンダリンを知っていますか?
カラマンダリンは「温州みかん」と「キングマンダリン」を親に持つ品種であり、愛媛県をはじめ、三重県や和歌山県で多く生産されています。最近では4~5月に旬を迎えることから「春のみかん」とも呼ばれているんです。見た目は温州みかんに似ていますが、食べてみると甘みと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいのみかんです。
早速、カラマンダリン収穫についてですが、
今年は4月4日から収穫がスタートしたので、まだ収量や成績は出ておりませんが、上ちゃんの肌感としては「地域の方々と比べて、浮き皮やコハン症が少なかった!」とのこと。
今年は地域全体的に浮き皮やコハン症が多い年だそうです。
というのも例年に比べ今年の2~3月は高温多雨により、
例年3月下旬に始まる根の活動が、今年は3月上旬と早めに始まりました。
このことが浮き皮発生の原因だろうと言われています。
しかし上ちゃんのカラマンダリンは先程述べたように、浮き皮やコハン症の発生、冬の寒さで果実が凍ることで果実の水分が飛んでしまう「す上がり」が、(地域の方々を比べて)非常に少なかったそうです!
品質についても、
3月下旬に行われた一斉内容検査で、上ちゃんの糖度平均は15.1度(地域平均は14.5度)と、地域平均と比較して0.6度高い数値を獲得しました!!
こちらは先日上ちゃんからいただいたカラマンダリンです。
まだ採れたてとのことですが、香りはオレンジ、味は濃いみかんという感じで美味しかったです!
上ちゃんは毎年7月から10月の3か月間、果実の体質強化・果皮強化のために健花(スコヤカ)を散布しています!健花に含まれるカルシウム効果で細胞壁を強化すると、浮き皮やコハン症の発生を抑えることができるのです!「す上がり」が少なったことも健花の効果といえるでしょう。
そんなカラマンダリン栽培の様子がこちら。
非常に鮮やかなオレンジ色でつやつやな果皮です。
こちらは収穫前のカラマンダリン。
寒さ対策、鳥害、退色対策の為に袋掛けしていますが、写真でみても分かるくらいたくさん成らされています。
現在収穫中ですが、実はすでに来年収穫予定の花芽がついているんです。
見えますか?上には袋掛けしてあるカラマンダリン、中央下には小さな芽が出ています!
【追記】
極早生(品種:みえ紀南1号)も発芽したので少しお見せします!
小さな蕾がなんだか可愛いですね。
今にも開花しそうです。平年4月下旬に開花しはじめますが、今年は早めに開花を迎えそうです。
カラマンダリンもこちらの極早生も、これから六花(リッカ)や甘彩(アマイロ)を散布していきます。
次回のレポートもお楽しみに!