「そんな夢のような話が本当にあるのか?」
農家の不安を拭ってくれたのは、地道な栽培指導で培った信頼と、本来の美味しさと輝きを取り戻した作物。
界面活性型リン酸肥料である甘彩六花はリン酸の配合比率がコンマゼロパーセントの世界という、これまでの常識では考えられないほんの少量の使用であっても、あらゆる気候条件でも収穫量が増え、且つ品質まで大幅に向上した作物をつくることができる。
「そんな夢のような話が本当にあるのか?」と思われたのでしょう。
いくら声を大にしても、耳を貸してくださる方は多くありませんでした。
今まで長年慣れ親しんだ作り方を変えることは勇気の要ることです。また、新しいやり方で逆に失敗しないか、という不安も当然有るでしょう。
リン酸は多量(今までの常識量)に投入しなければ効果が出ない、という従来の肥料の常識を覆すことは容易では無く、必死に新しい説を訴えてもなかなか農業界の理解賛同を得られませんでした。
「これを乗り越えなければ本当に農業の進歩発展に貢献することは出来ない、一体どうすればいいのか」日々悩む日が続きました。
そして、ある日こう考えるに至りました。「私の言葉を信頼して貰うため、まずは私自身が農業界に信頼して貰わねばならない」
そこで、新しい肥料の啓蒙よりもまずは自分の農業の指導者としての信頼を高めることを優先し、農業コンサルタントとして全国各地で地道にコツコツ栽培指導をする日々が始まりました。
次第にJAさんやその他の農業団体より講演の依頼も頂ける様になりましたが、私は「日本の農業の進歩発展に貢献したい」という思いから講演料は全てその団体に寄付還元し、声がかかれば全国どこにでも赴きました。
しかし、それでも界面活性型リン酸肥料への理解と信頼は思う様に広がらず、志半ばで挫けそうになることも。
そんな私を救ってくれたのは、実際に新しい肥料を使い、実績を出しているモデル園地。実際に新しい肥料で育った、本来の姿を取り戻した作物が皆さんに納得して頂く一番の説得材料でした。見学者は次第に増えて多い時には月3000人を超え、それが信頼の評判に繋がっていきました。
最近では本当に多くの農家の方々や団体から、我々の活動や実績に高い評価をしていただけるようになり、これまでの努力がようやく報われようとしています。
苦節40年、私は今、大きな手ごたえを感じています。