皆様ご存知のとおり、全国的に見て現在最も多く作られている「とちおとめ」は「女峰」の後継品種として、1996年に栃木県の農業試験場で生まれました。 甘味が強くて大粒の多い「とちおとめ」は、その食味のよさから人気が上昇し、東日本のシェア1位となっています。
− イチゴ農家で生まれ育ち、長い間イチゴ栽培に携わる山川さんですが、苦労される点がありました。
「毎年変わる気象条件の中、毎年同じように高品質なイチゴを収穫し続けることは難しいと感じますね。特に厳寒期には樹も疲れ始め、収量が落ちやすい傾向にあります。」
− とても味の良いとちおとめをつくられている山川さん。この高品質なイチゴの収量を更に伸ばしていきたいと、花芽分化促進や果実の色艶・食味向上に効果の高い「甘彩六花」を試してみることに。
「甘彩六花を散布して、一番の驚きは花数が明らかに増えたことです。無散布区を設けていたので、それぞれ16株の花数を比較してみたのですが、12月~3月の測定日の16株合計の花数は甘彩六花散布区で平均35個多かったのです。反あたり8000株定植しているので、順調に同じペースで開花した場合、4番花までで約6万~7万個増加する計算となります。
もちろん、安定的に収穫するためには、ある程度摘花も必要になりますが、花数が多い分、より良い花を選んで残すことができます。」
「花数の増加や花の質が向上することは、もちろん収量増加につながります。 特に2月の収量が対照区に比べ重量ベースで19.4%増加しました。厳寒期であり1、2番花を収穫し終え、樹が疲れ始めるこの時期にもかかわらず、安定して収穫し続けられたのは、甘彩六花を散布していたからこそだと思います。」
「甘彩六花を散布し始めて、樹の様子が変わってきました。艶や厚みのあるしっかりとした葉になり、樹が生き生きとしているように見えました。葉色も濃く、葉面積もしっかりととれていたため、光合成能力も向上していると感じました。」
− 甘彩六花は生殖成長と栄養成長をしっかり両立させ、葉や茎の展開も促進させていくため、イチゴを鈴なりに成らせても成疲れせず、シーズン終盤まで安定して収穫することができるのです。
「光合成能力の向上は、果実の味にも影響します。糖度を比較してみると、無散布区では平均9.8度でしたが、甘彩 六花散布区では平均10.1度と上昇していました。数字だけで見ると、上昇率はそれほど大きくありませんが、コクが増し、ただ甘いだけではない食味の大変良いイチゴに育ちました。ぜひ多くの方に味わってもらいたいです。
また、色艶もよくなり、しっかりと実の締まったイチゴを終盤まで収穫することができました。」
− では、実際の販売価格や収入にはどれほど影響があったのでしょうか。
「市場出しが多いため、収量が増加した分だけ収入も増加します。特に価格の高い12月の収量が10%ほど高かったこと、2月に収量を落とさなかったことは大きなプラス要因です。12月~2月までの合計収量は対照区が2767.5㎏であったのに対し、甘彩六花散布区では3090㎏と322.5㎏収量が増加しました。今年の市況で反あたり約45万円増収できた計算になります。 1番花の花芽が入る8月下旬~5月まで、約10日1回500倍で葉面散布しましたが、反あたり1回のコストはたったの340円。シーズン通しても反あたり8500円程度です。 甘彩六花シリーズをより使いこなし、病気やロスを減らしていけば、今後ますます収入の増加が期待できます。」
山川さんご自慢の最高品質な「とちおとめ」をより多くの方にお届けできるよう、甘彩六花シリーズで更なる収量増加を目指したいとにこやかに語ってくださいました。